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 刃物市場 > コンテンツ > 刃物の匠> CANARY 森 利一
時代が変わったって、本物は変わらない。だから毎日が真剣勝負。

若い頃は職を転々としていた。そろそろちゃんとした職に就かなきゃって思って長谷川刃物に入社した。別に職種は何でも良かった。でもハサミの世界に入った途端、その魅力にハマッてしまった。

入社当時は外回りからスタートし、その後工場作業へ転向。一通りの作業工程を経験したが最終的には"砥ぎ"を一番長くやっている。この作業が一番合っているのだ。

綺麗に砥がれたハサミ

ここまで辿り着くにはいろいろな失敗もしてきた。左利き用のハサミを右利き用のハサミだと勘違いして、右用の仕上げをしてしまい1,500丁ぐらいダメにしたことがあった。その時は上司にこっぴどく怒られ、責任をとって辞めようとまで思い詰めていた。周囲の熱心な説得もあり退職だけは思いとどまったのだとか。

そんな気持ちに応えるためにも一生懸命に仕事をして、ひたすら技術を磨いた。 その努力が実を結び、今では研ぎでは誰にも負けないような技術を身につけるまでになった。研ぎは削りすぎてもダメ、その微妙な感覚は経験が必要な作業なため、指先だけが頼りで、機械では真似できない職人技を要求される工程である。全面を角がなくなるように丸く砥がないといけない看護士用のハサミ(写真上)は経験の差がハッキリでる商品の1つだ。

研ぎ

1日の大半を前傾姿勢で作業するから、毎日腰痛とも闘っている。

森さんは今後、後継者の育成に力を入れていきたいと考えている。自分が経験したことを時には厳しく、時には優しく伝えている。後輩を指導する目はいつも真剣だ。森さんの想いはただ一つ。今よりもさらに良い"本物の商品"を作り続けて行きたい。ただそれだけなのだそうだ。いつの時代でもキチッとしたものを作って、良い商品をお客さんに提供していきたいと常に思っている。職人の鏡である。

そんな森さんが好きなハサミは、キッチンハサミ EL-210。高級感がありデザインが良いのに、ちゃんと実用性も兼ね備えているから。「「男なのにキッチンハサミっておかしいでしょ?」とちょっと照れていたところが印象的だった。

これからも素晴らしい商品を作り続けてください。





社長のコメント

刃付けは長年の経験を元に体で覚えた感覚と技術が重要です。切る・切れる為には、調整の前段階の最終工程として一番重要なところです。刃付けの仕方によって、ハサミの切れ味の良し悪しが決まるといっても過言ではないのです。現在は粗地からハンドルの成型までの管理と刃付けの仕事を両立してもらってます。責任感の強い人間なので、今までの経験を元に更なる熟練者としての誇りをもって頑張って欲しい。



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